看護専門学校は、看護大学や看護短期大学と同様に正看護師になるための看護師養成学校です。一般的には全日制の専門学校と同様であり、3年の学習期間を経て正看護師試験の受験資格を得ることができるようになります。
以前は働きながら看護師資格の取得を目指す人が多かったので、全日制だけでなく夜間や昼間のみの定時制の学校もあったようですが、最近ではそうした学校はあまり見られなくなりました。
現在ではほとんどが全日制なのですが、それでも位置づけ的には過去と同様の色彩が色濃く残っています。例えば、社会人として別の仕事をしていた人が、看護師に転職するために入学したり、既に准看護師資格を持っている人、これは試験に合格した人や、実際に准看護師として看護の現場で働いている人たちですが、こうした人たちが看護師としてのステップアップのために正看護師を目指して入学する事もあります。
看護大学や看護短期大学には、最初から正看護師になる事を目指す人が入学するケースがほとんどなので、こうしたステップアップや転職を目指す人が再度教育を受けるために入学するなど、幅広い看護学生がいるのが特徴です。
設置母体は様々で、医療法人や社会福祉法人、医師会といった医療機関が設置した学校もあれば、自治体などの地方公共団体が設置する場合もあります。特にインターネットで検索すると、県や市のレベルで設置された学校が多く、こうした学校の場合は地域の公立病院で実習が行われたり、就職先になるなどのつながりがあります。
こちら(http://enigmatec.net/)のサイトのように、正看護師になるまでを解説してくれているサイトが多くありますので、参考にされるといいかと思います。
看護大学との最大の違いは、卒業して得られるのは正看護師試験の受験資格だけであるという事。多くの看護大学では、保健師や助産師の受験資格を得ることができるのですが、看護専門学校では卒業後に保健師や助産師の養成所に進学しなければこれらの試験の受験資格を得ることは基本的にはできません。
ただ、近年では保健師の受験資格も取得できる『保健師統合カリキュラム』を実施している学校もあります。
まだまだ数は少ないですが、こうした学校に入学して当該カリキュラムで4年間学ぶことによって、保健師の試験の受験資格を得ることができます。
他にも、看護大学の中には、専門学校を卒業した看護学生を対象に、大学の3年次に編入できるという学校もあります。これによって、看護専門学校に進学した人も、看護師以外の進路を選ぶことができるようになりました。
そのため、社会人経験を経て看護師や保健師に転職したいという人が幅広い進路の選択先として利用するようになりました。